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Kyoko Yamamoto

草炎

夏の強い日差しのなかで勢いよく茂る庭の緑を眺めていましたら、川端龍子の「草炎」を思い出しました。皆さまは「草炎」をご覧になったことがおありでしょうか。私が初めて、この絵に出会ったのは東京国立近代美術館の琳派展でした。会場を巡ってゆくうちに、この絵が現れ、あまりの美しさ、迫力に魅了され立ち尽くしたことを鮮やかに覚えています。調べてみると2004年の9月のことでした。そんなに前のことですのに、鮮烈な印象は記憶に刻み付けられています。絵の持つ力ですね。

題材は雑草。黒地に金泥で草花が生き生きと描かれ、躍動し存在感を放っています。近所の雑草を描いた、と言われていますが、誰もが目にしている何気ない草が、神秘的なほどに美しく息づき、神聖な、荘厳な雰囲気を漂わせています。

この絵が描かれたのが1930年。翌年には「草の実」という作品も描かれました。こちらは秋の気配。ススキや女郎花などの秋の草花が描かれています。この絵も見たいと願っていましたら、2017年に山種美術館で開かれた「川端龍子~超ド級の日本画 RYUSHI展」にて願いが叶いました!「草の実」がメインヴィジュアルに使われましたので、覚えていらっしゃる方もおありかしら。


 猛暑が続き、コロナ禍は一向に収まらない厳しい夏ですが、どうぞ皆さま、お体をお大切にお元気にお過ごしくださいますように!

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